第四回は、39歳女性、Sさんの転職実践記です。

間違い電話がつないだ縁

Sさんの転職サポートは、私のかけた間違い電話がスタートのきっかけでした。

Sさんからは前に一度受講相談の電話をもらっていました。

しかし、費用の問題もあってその時は「もう少し検討させて下さい」ということで、それっきりになっていました。

それから1ヶ月ほどが過ぎた頃、私は別の受講者に連絡を入れたつもりで、間違ってSさんの番号にかけてしまったのです。

間違い電話をお詫びしたついでに、

「その後どうですか?」

と聞いてみると、なかなか成果が出ずに困っているとのこと。

そして、その電話でSさんの方から「やはりサポートをお願いしたい」と申し出を受けたのでした。

あの時私が間違い電話をしなければ、もしかしたらサポートをすることはなかったかもと思うと、不思議な縁を感じます。

Sさんの事情

当時のSさんは、精神的に非常に辛い状況にありました。

私にご連絡を頂く半年余り前、Sさんは結婚が決まっていわゆる「寿退社」をしていました。

ところが、幸せな結婚生活が待っているはずが、とある事情で結婚が破談となってしまったのです。

Sさんは、結婚生活を失ってしまっただけでなく、同時に仕事も失っており、気がつけば「アラフォー」の失業者になっていました。

Sさんは気丈に話していましたが、そのショックは並大抵のことではなかったと思います。

そのショックを乗り越えて、再び就職活動に取り組みだしたのです。

しかし、Sさんが住むのは四国の田舎町。

Sさんが希望するような条件の求人はほとんどなく、そもそも応募先に困るような状況でした。

そして、数少ない応募先からも色よい反応が得られず、壁にぶつかっていたのです。

Sさんのキャリア

Sさんは関西の有名私大を卒業しましたが、就職せずに家業の手伝いを選びました。

いわゆる「花嫁修業」というやつでしょうか。

しかし、数年後にその家業が傾いたため、Sさんは勤めに出ることになりました。

ところが、数年遅れの就職活動は苦戦続き。

結果としてSさんは「ブラック企業」に近い会社に就職するしかありませんでした。

最初の会社は1年で退職。

2社目の会社は3年ほど勤務しましたが、激務で体調を崩し、やはり退職せざるを得ませんでした。

しかし、Sさんのビジネススキルは非常に高く、どちらの会社でも優秀な実績を残していました。

Sさんは3社目の転職活動に慎重に取り組み、地元の優良な中堅企業に転職することができました。

Sさんは本社の管理部で持ち前の能力を発揮し、数年後に社内で唯一の女性課長に抜擢されます。

詳細は伏せますが、Sさんの会社は男性中心の特異な業界でした。

そのため、女性が管理職としてマネジメントをするのは並大抵のことではありません。

しかし、Sさんはいくつもの大きなプロジェクトも手がけ、着実に成果を出しました。

充実した仕事をしていただけに、破談の末にその職を失ったSさんの喪失感は、とても大きかったのです。

Sさんの決断

私がサポートを開始した当初、Sさんは地元で職を見つけることにこだわっていました。

しかし私は、思い切って関西に出て職を求めることを進めました。

そもそも地元には条件の良い案件がほとんどなく、希望の転職を果たすには時間がかかる可能性が高かったからです。

私が最初に相談を受けた時点ですでに退職から半年以上が過ぎており、年齢的にも30代が終わろうとしていました。

ブランクが1年を超え、年齢が40代になると、やはり印象は大きく違ってきます。

Sさんは悩みました。

1つは、そもそも関西の会社が自分を採ってくれる可能性がどれだけあるのか、ということ。

もう1つは、費用や労力の問題です。

関西の会社に面接に行くことになれば、その度に深夜の高速バスで向かったり、ホテルに宿泊することになるからです。

無理強いはしませんでしたが、私はSさんの能力やキャリアなら、うまくアピールすれば必ず成果は得られると思うと説得しました。

そして最終的に、Sさんは「関西で勝負する」と決断したのでした。

初志貫徹

Sさんの応募書類は、もともと非常に情報不足・アピール不足。

とても「採りたい」と思わせられるものではありませんでした。

前職が課長だったことにも触れていなかったくらいです。

Sさんの最大のアピール材料は、前職にあります。

「男性中心の業界で、社内唯一の女性課長として本社管理部で辣腕を振るった」

といった方向性でブランディングし、応募書類を作り込んでいきました。

しかし最初の数社に落選した時、Sさんは不安になりました。

そして、保険営業など採用されやすそうな求人にも広く応募していくべきかと、私に相談してきました。

それに対して私は、

「方向転換は後でいくらでもできます。今はブレずに希望の仕事をねらっていきましょう」

とアドバイスしました。

Sさんが便利な都市部に住んでいれば、応募を広げるのもアリでしょう。

しかし、Sさんの場合は1社の面接だけでも相当な費用と時間が必要になります。

希望しない仕事の応募で時間やお金を浪費するよりも、希望する仕事に絞ることが重要だと判断したのです。

幸いなことに、その後Sさんは早い段階で2社から希望する仕事の内定を獲得することができました。

私は、Sさんならもっと良い条件の会社を待っても良いのではと話しました。

しかし、Sさんはその2社に満足して、うち1社に入社を決めました。

自分がやりたい仕事に就け、Sさんは前向きに新しい生活をスタートさせました。

「将来は社会保険労務士の資格を目指したい」

というSさんに、私は自分の著書をプレゼントさせてもらいました。

数年後には社会保険労務士として活躍するSさんの話が聞けるかもしれません。

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